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キム Archive

いただいたご質問と回答(1)

この2年間、多くの方々からたくさんのご質問をいただきました。その中から、代表的なご質問とその回答について、今回と次回に分けてお伝えします。(回答につきましては、同種の回答を集約していますので、個別にご回答差し上げたものと若干異なる場合がありますが、ご了承ください。)

 

○楽器メンテナンス等

・タイと日本では気候が違うため、現地の楽器をそのまま持ってくると、木の部分が割れたりするのではないか? お手入れや保管はデリケートなものか?

⇒ タイ伝統楽器の主要素材は木材です。木材は、温湿度の変化に敏感に反応することが知られています。

熱帯に位置するタイと温帯の日本の気候の差から楽器に不適応が発生することが懸念されるところですが、タイ国の工場では海外で使用するという前提で生産しておりませんので、他国の気候における楽器の適応性についての情報は持っておりません。

気候に差に関しましては程度の問題であり、タイと日本の気候は冬の時期を除けばそうかけ離れていないのではないでしょうか。しかしながら、日本の冬季の室内の湿度20%にまで至る乾燥はタイの気候にないものなので、注意が必要と考えられます。これは、タイの楽器に限らず、ピアノやバイオリンなどの西洋の楽器についても同じことです。

楽器の保管につきましては、極度の乾燥や高温を避ける(冬季の乾燥時の加湿、炎天下の車内に放置しない)など、通常のご対応で問題ないと思います。

当店での実績を見てみますと、数年前に日本に輸入したキム・ピースアについて、蓋にわずかなゆがみが出ているものもあります。しかしながら、本体にはそのようなことがなく、実用上にはまったく支障はない状態です。割れ等もまったく発生していません。

楽器のお手入れにつきましても、特段のものは必要なく、使用後に乾布で軽く拭く程度のことでよろしいと思います。真ちゅうなどの金属部分には錆が浮きやすいですが、表面に現れる程度の錆が音質に影響することはありません。

タイ伝統楽器にはそれぞれ保管上等において特有の注意点もありますが、そもそもタイ伝統楽器は、けっこうタフな楽器です。ご存知のとおり、現地ではたいへん過酷と思える環境下で使用されています。

 

○楽器について

・楽器の材質、音質、価格の関係を教えてください。

⇒ 当店のラインナップを見ていただきますと、同じ楽器でもいくつかのグレードがあり、価格に大きな違いがあります。

このグレード・価格の差は、主に材質の違いによります。一般に高級とされる素材を用いた楽器が高価です。美術工芸的な装飾をほどこした楽器を除く一般的な楽器(contemporary model)では、ラインナップでの価格と音質(の良さ)はほぼ確実に比例します。

楽器の価格を決めるもうひとつの要素は、製造元による品質の違いです。製造元の伝統や実績に基づく製品の品質、信頼性には大きな差があり、価格にも現れてきます。同じチーク製のキムでも、製造元により価格は大きく異なります。だいたい品質と価格は比例しますが、品質が低いにもかかわらず価格が高い楽器も存在するので注意を要します。

ですので、タイ国内で流通している楽器全体を見ますと、材質によるランクの違いと製造元の違いという観点があります。同じ製造元のラインナップであれば、価格と音質はほぼ比例するとみてよいのですが、同じグレード(材質)であっても、製造元により品質・音質と価格は様々です。

(この件につきましては、改めてお伝えしたいと考えています。)

 

・キムの種類に2種類あるようですが、キム・ピースアとキム・クラパウはどう違うのでしょうか?

現在、キムと呼ばれている楽器には、キム・ピースアとキム・クラパウの2種類があります。キム・ピースアの曲線の愛らしい外観と、キム・クラパウの直線的ですっきりした外観は対称的です。

しかし、本質的な違いはその音質であり、歴然とした差があります。ピアノを弾かれる方には、アップライトピアノとグランドピアノの違いといえば、よくご理解いただけるかと思います。前者がキム・ピースア、後者がキム・クラパウに該当します。

キム・ピースアの音は、こじんまりしてやわらかく、中音域にまとまっています。ポクポクといった素朴な音色が特徴です。これに対してキム・クラパウの音は、たいへん豊かかつ華やかで、高音域から低音域まで抜けがありません。弦長が長いことから、ゆったりと長い余韻で楽器全体が鳴ります。どちらが良いかは嗜好の問題となりますが、一般的にはキム・クラパウの音が上等と感じられるでしょう。CDのレコーディングにはほとんどキム・クラパウが使われていると思います。当店で扱っている工場でも、この音の差からキム・ピースアからキム・クラパウにマーケティングの重点を移しており、キム・ピースアの2グレードに対して、キム・クラパウは7グレード(多駒モデルを含む)を展開しています。

このように音質で優位に立つキム・クラパウですが、最大の欠点はその重さです。特にケースがハードケースのため、その持ち運びはスーツケースの運搬に近いため、頻繁に持ち運びがある場合、かなり面倒です。そのため、トロリーバッグのような長いハンドルと車輪のついたハードケースも販売されているようです。

 

・(以前、別の店にて購入したソーウーについて)教習ビデオをもとに練習しているのですが、思った音が出ません。スースー抜けてしまう感じです。

⇒ いただいた文面だけですと詳しい状況がわからないのですが、おそらく弓毛に松ヤニを塗っていなかったものと推測されます。

ソーウーやソードゥアン、ソーサームサーイのような弓で弦を弾く楽器は、弓の毛に松ヤニを塗って弓毛の摩擦を大きくすることにより初めて音が出ます。松ヤニを塗らないと絶対に音は出ません。通常、演奏前に塗りますが、購入直後の演奏時には、やや多めに塗っておくとよいでしょう。

(ご質問いただきました方には、松ヤニをご購入いただき、音が出るようになったとのご報告をいただきました。)

 

・(別の店にて購入したソーウーについて)ギターの弦のようなナイロンの同じ太さのものが2本になっています。貴社のホームページを見ると、ソーウーの弦はシルクとのこと。 これでいいのでしょうか?

⇒ 当店で販売しているソーウー弦はシルク製です。安価な弦としてナイロン弦も流通しているようですが、どのようなものか把握しておりません。また、2本の弦(内弦と外弦)は音程が5度も離れているため、弦の太さは異なります。それぞれ別の弦として販売しています。同じ太さということは考えにくいです。

 

○チューニング等

・ソーウーの調弦の音程は何でしょう?

⇒ ソーウーの調弦ですが、タイ音名ですと、低音弦がド、高音弦がソとなります。西洋音楽の音名と対応させますと、低音弦がB♭(ト音記号の五線譜で下第2間)、高音弦がF(同じく五線譜で第1間)となります。ただ、タイ伝統音楽と西洋音楽の音律は全く異なるため、あくまで目安とお考えください。チューナーのようなものは販売されていないのですが、クルイのような固定チューニングの楽器で音を合わせることがよく行われています。

 

・クルイのキーを教えていただきたいです!!

⇒ クルイには音程も含めていくつかの種類があります。最も一般的なのは、クルイ・ピアン・ウーです。(当店で扱っているクルイがそうです。) 普通のクルイ・ピアン・ウーは、タイ音名でド、西洋の音名でB♭管となりますが、もう一音高い調の楽器もあります。

 

・ピーパートアンサンブルのコン・ウォン群とラナート群の楽器の調律はどのようになっているのでしょうか?

コン・ウォン群(金属製ゴング)とラナート群(木琴)は、いずれも固定チューニングの打楽器ですが、調律で音程を調整することが可能です。合奏においては、調律によって同じ音程にチューニングされています。

 

次回(5月)は、ご質問のたいへん多い”教材”を中心にお伝えします。

タイ伝統楽器の材料について(2) ― チーク 

1年ぶりの「タイ伝統楽器の材料について」ですが、今回はチークについてお伝えしたいと思います。

チークは、タイを含むインドシナ半島をはじめとして、ミャンマー、インドなどで産出される木材です。耐久性、耐腐食性などにおいてたいへん優れた性質をもち、さらに見た目の美しさも備えた貴重な樹種です。世界的に広く利用されており、よく知られた木材です。

○チークといえばタイ、タイといえばチーク

タイでは北部から西部にかけて混生落葉樹林(モンスーン林)として生育しています。タイにおける気候条件、一年を通じて風速が緩やかであるなどの条件がチークの生育に好条件であり、タイの林業の中核をなすものが高品質のチークの生産でした。もともと現地では、主に建築材として利用されていたようで、特に北部のランナー朝の寺院や宮殿では、ふんだんに用いられたチーク材を目にすることができます。19世紀後半に欧米に知られるようになってから伐採量が急増し、天然林が激減しました。現在、タイ国内では、厳重な管理の元に植林が行われているようです。伐採は全面的に禁止と記憶していますが、現在はどうなのでしょうか。

チーク材を多用した建築(ワット・チェン・マン)

 陸上輸送の手段が発達していなかったタイやミャンマーでは、水上輸送により消費地へ運ばれていました。北部原産地で伐り出されたチークは、像や牛によって河岸の集積場まで搬送されて一旦集積され、その後、雨季の増水時にその水流を利用して運ばれていました。川の途中の集積地までは管流しという形で「放流」され、集積地でいかだに組んで輸送するといった方法です。「放流」ですから、途中で引っかかったり沈んだり、なかなか難しいもので、原産地で伐採されてバンコクに到達するまで5年程度はかかったようです。特に管流しでは、途中でなくなってしまうものも多く、一定の損失がつきものでした。

 ちなみに、輸送の途中でなくなってしまったチークを拾い集めるといったビジネスが、現在も存在します。特に、水中に沈んでしまったようなチーク材には良質なものが多く、貴重だとのことです。ゴルフ場の「ロストボール」拾いのようなビジネスですが、ミャンマーでは日本人の方でこのようなことをやっておられる方がいらっしゃいました。

チークをタイ語で「マイ・サク」と呼びます。マイは木を意味しますが、サクは染料を意味します。これは、チークの葉から赤色染料を採集したことに由来するようです。
建築をはじめとして艦船、車両の材料として利用されてきたチークですが、現在のチーク材の利用としては、高級家具や装飾品が最も身近なところでしょう。チークの木彫りは、タイの土産店の定番アイテムのひとつです。

チーク材の木彫り(チーク材を曳く象)

○楽器材としての利用

タイ伝統楽器でも、ややハイグレードの楽器の主材料としてチーク材が用いられています。キム・ピースアの上級モデルとしてチーク材の楽器を用意しているメーカーが多いので、これをよく目にするところです。キム・ピースアの優美な形とチークの肌理・色合いは、たいへんよくマッチします。他の楽器では、ラナートなどでチーク材が使われることがあります。素材の性能はともかくとして、見た目の主張が強い材料なので相性が問われるでしょう。

キム(チーク材)

キム(4) 弦について補足 ― タイ伝統楽器について(4)

キム弦の張り替えにつきまして、ご注意事項です。

キムの弦は、通常、巻いた状態で販売されています。(当店では1巻約10mです。)

 

弦の張り替えでは、ユーザーの手で適当な長さに切断していただくことになりますが、普通の針金(真ちゅう、ステンレス)と比べると弾性が非常に大きいので、巻きがはじけてからみ易い性質があります。巻きをほぐすときは十分ご注意ください。

また、からんだ時あるいは巻きを絞るようほぐし方をすると、ダマ(コブ)ができることがあります。

このようなダマができますと、弦の強度が下がり、この部分で切断してしまいます。弦をほぐすときは巻きの輪を絞らないよう、外側に向けて延ばしていくとよろしいでしょう。

キム(2) スティックについて - タイ伝統楽器について(2)

楽器について(1)-キム(1)に引き続いて、今回もキムについてお伝えします。

当店では、これまで2種類のキムスティックを販売しておりましたが、この度、ラインナップを拡充いたしました。キムスティックの選択は、キムの演奏に大きな影響を与えます。選択の幅を広げることで、演奏の楽しみをより広げることのお手伝いができるものと考えます。ということで、新しいラインナップとともにハンマー(スティック)全般についてご紹介したいと思います。(当店の商品を中心とした説明になってしまいますが、ご了承ください。)

○ハンマー(キムスティック) 

キムは弦を叩いて発音する楽器です。弦を叩くための道具がハンマー(キムスティック)です。ハンマーの材質ですが、シャフト部分が竹、弦と接触するヘッド部(下の写真の左端)には皮革が巻かれています。

キムスティック

キムスティック

キムスティックを含め、発音する(弦を振動させる)ために何らかの道具を使用する楽器はたくさんあります。そしてこれらの道具は、楽器の性能を十分に発揮させることにたいへん重要な役割を持っています。

最も典型的なものは、ヴァイオリンを始めとした擦弦楽器でしょう。擦弦楽器で使用される楽弓は、材質の良し悪しと製作の巧拙によって楽器自体の性能を引き出す能力がきわめて大きく変わります。値段も上と下では0が3つほどの差があります。

 

さて、新たなキムスティックのラインナップとその諸元です。今回加わったものは、No.1とNo.4です。下の写真の手前からNo.4、3、2、1となります。(旧番のNo.1と2は、それぞれNo.2,3となります。) 

キムスティックのラインナップ

キムスティックのラインナップ

○音色

まず音色ですが、No.1からNo.3まではほぼ同等で、ポクポクとしたやわらかめの音です。これに対してNo.4は、高音成分が多く含まれる派手で華やかな音で、楽器の種類にもよると思いますが演奏現場ではインパクトが強いと思われます。No.4とその他では音色が大きく異なりますが、これはラナートのマイ・ヌアンとマイ・ケンの違いを思わせるほどの差があります。

 

○機能・性能

続いてスティックの機能ですが、キムスティックの機能を特徴づける要素として、長さ、重量、重心位置(バランス)などがありますが、最も大きなポイントのひとつがシャフトの硬度です。

キムスティックの諸元

シャフトの硬度が柔らかい(軟)ものほどシャフト先端の弾力性が強くしなやかになります。(上の表では、No.1からNo.4に進むごとにしなやかになります。) 

キムの演奏には、連打(トレモロ)や装飾音などスティックの細やかなのコントロールがつきものですが、シャフトのしなやかさが増すことにより、これらがより容易になります。また、打弦の際のインパクトの時間が短くなり、音量が増加するとのことです。

しなやかなキムスティック

しなやかなキムスティック

特に、No.4はシャフト先端の弾力がたいへんに強くしなやかで、ヘッド部を細く軽くして重心を手元によせていますので、スティックのコントロールがきわめて容易です。手首の微妙な動きで楽器を鳴らすことが可能となります。(ヘッドの付け根のシャフト先端部分が非常に細く(2mm程度)加工されています。この細さで強度を保つため、素材を相当に厳選しているようです。)

以上が一般的な傾向です。しかし、シャフトの硬度はあくまでもフィーリングの部分が大きいので、柔らかいものがベストというわけではありません。硬いシャフトは逆にダイレクト感がありますので、これを好む向きもあるかと思います。

また、各モデルの中でも個体差が多少あります。これは、自然素材の機械的物性に頼っているため、仕方のないことです。逆にひとつひとつのスティックが性格を持つというおもしろさも出てくるわけで、複数のスティックを使い分けるということもあるようです。

ちなみに、No.4のスティックには、複数のスティックを保有している場合に見分けをつけるためにシャフトの手元側にID番号がふられています。

なお、キム本体を購入する際に付属しているスティックは、No.1よりシャフトが短く、硬いものが多いと思います。

 

キムスティックのご用命は、当店「ご注文・お問い合わせ」まで。

今回は、予定を変更してキムスティックについてお伝えしました。次回の予定は、「タイ音楽の風景」です。

キム(1) ― タイ伝統楽器について(1)

タイの伝統楽器について、当店で把握している情報をお伝えしていきたいと思います。1回目はキムです。

 

キムはタイで最もよく見かける楽器のひとつです。タイを旅行された方は一度や二度は街角で演奏場面に遭遇しているのではないでしょうか。開放弦の典雅な美しい響きは一度聴くと忘れられないものがあります。キムは中国の揚琴を原型にしていると言われており、ピー・パートやクルアン・サーイといったタイの伝統的な楽器とはやや異なる立場にあります。そのためか関連資料が意外に少なく、教則本以外にまとまった解説を目にすることがありません。

しかしながら、タイ国内においてもキムが伝統楽器としてはもっとも人気のある楽器のひとつであることは、間違いありません。タイの伝統楽器はけっこう高価なものが多いのですが(特にピー・パート合奏用の楽器)、キムは比較的に安価なものからありますので現地でも広く普及しています。当店で扱っている楽器を製造している工場では、年間500台程度のキムを生産しています。

 

○キムの種類

ハンマーで弦を叩くことによって発音する打弦楽器は、ダルシマー(Dulcimer)として欧米、アジアに広く伝わっているものです。キムもダルシマーの一種ですが、アユタヤ時代後期に中国よりもたらされ、タイ国内で独自に発展したものです。

タイにおいてキムと称される楽器は、大きくは「鉄キム」と「弦キム」に分類されます。「鉄キム」はグロッケンシュピール(鉄琴)を三分割して縦置きにしたような楽器ですが、目にすることはほとんどないと思われます。私自身も現物を見たことがありません。

鉄キム (C)เคร์องดนฅร๊ไทย สารคด๊

一般に「キム」と称される楽器は「弦キム」を指しています。金属弦をハンマー(スティック)で叩く、いわゆる「ダルシマー」の一種です。弦キムには「キム・ピースア」(または「キム・ヤク」)および「キム・クラパウ」の二種類があります。

上:キム・クラパウ  下:キム・ピースア

キム・ピースアは両側が丸みを帯びて上下の側に波型の装飾がほどこされた小型の楽器です。「キム」というとこれを思い浮かべる方も多いと思います。その愛らしい形状に加え、価格帯がやや手頃なこともあるためか、タイ国内のホテルやレストランで見かける妙齢の女性の生演奏では、キム・ピースアが使われていることが多いように感じます。楽器の素材としては、ドリアン、マンゴーなどのほか、上級機種でチークなどが用いられます。

一方、キム・クラパウは中国の揚琴の面影を残した楽器と言えます。音量、音質で優位にあり、音楽演奏における本格的な楽器となります。キム・ピースアに比べると二回りほども大型で高さ10センチ程度の脚(三方枠)がついています。軽いソフトケースに入ったキム・ピースアと比べると、頑丈なハードケースに入っているキム・クラパウの持ち運びはスーツケースを運ぶ手間に近く、かなりやっかいです。(長い距離の運搬は、車でないと難しいかもしれません。)

 

○音質・音色を左右する要素

キムは生産量も多く、楽器の種類やグレード、ハンマー(スティック)など付属品の種類も数多くあります。これらの違いによって音質・音色がかなり異なってきます。キムの音色を左右する要素としては、以下の4つが挙げられます。

1.楽器の種類(キム・ピースアとキム・クラパウ) 2.楽器の素材 3.弦 4.ハンマー(スティック)

音色および音質を左右する要素は、楽器の種類、要するにキム・ピースアとキム・クラパウの違いによるところが最も大きいです。これはボディーのサイズの違いなど音響上の物理的な違いによるものと考えられます。キム・ピースアが中音域あたりで音がまとまっているのと比べると、キム・クラパウは全音域にわたって音量が豊かで、低音域、高音域まで音がゆったりと延びるため、音の華やかさがまったく違います。特にキム・クラパウの多駒(弦)型モデルの音質については特筆するものがあります。

楽器の素材も楽器の音質に関わる要素です。同じ種類の楽器でも複数のグレードがありますが、特別な装飾品等を除いて、基本的に素材の違いによってグレード付けされているようです。当然ながら希少で高価な材料を用いた楽器は高価ですが、音質もなぜか良くなっています。(必ずしも希少で高価な素材の音響性能が高いとも言えませんので少々不思議なところです。素材のシーズニングや加工に特別な配慮がされているかもしれません。)

 

次回は、キムの弦、ハンマー(スティック)などについてお伝えしたいと思います。

 

※限られた資料、情報筋等を参考にしておりますので、内容について誤り等あればご指摘いただければ幸いです。

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