Home > キム | タイ一般 | ラナート | 楽器 > タイ伝統楽器の材料について(2) ― チーク 

タイ伝統楽器の材料について(2) ― チーク 

1年ぶりの「タイ伝統楽器の材料について」ですが、今回はチークについてお伝えしたいと思います。

チークは、タイを含むインドシナ半島をはじめとして、ミャンマー、インドなどで産出される木材です。耐久性、耐腐食性などにおいてたいへん優れた性質をもち、さらに見た目の美しさも備えた貴重な樹種です。世界的に広く利用されており、よく知られた木材です。

○チークといえばタイ、タイといえばチーク

タイでは北部から西部にかけて混生落葉樹林(モンスーン林)として生育しています。タイにおける気候条件、一年を通じて風速が緩やかであるなどの条件がチークの生育に好条件であり、タイの林業の中核をなすものが高品質のチークの生産でした。もともと現地では、主に建築材として利用されていたようで、特に北部のランナー朝の寺院や宮殿では、ふんだんに用いられたチーク材を目にすることができます。19世紀後半に欧米に知られるようになってから伐採量が急増し、天然林が激減しました。現在、タイ国内では、厳重な管理の元に植林が行われているようです。伐採は全面的に禁止と記憶していますが、現在はどうなのでしょうか。

チーク材を多用した建築(ワット・チェン・マン)

 陸上輸送の手段が発達していなかったタイやミャンマーでは、水上輸送により消費地へ運ばれていました。北部原産地で伐り出されたチークは、像や牛によって河岸の集積場まで搬送されて一旦集積され、その後、雨季の増水時にその水流を利用して運ばれていました。川の途中の集積地までは管流しという形で「放流」され、集積地でいかだに組んで輸送するといった方法です。「放流」ですから、途中で引っかかったり沈んだり、なかなか難しいもので、原産地で伐採されてバンコクに到達するまで5年程度はかかったようです。特に管流しでは、途中でなくなってしまうものも多く、一定の損失がつきものでした。

 ちなみに、輸送の途中でなくなってしまったチークを拾い集めるといったビジネスが、現在も存在します。特に、水中に沈んでしまったようなチーク材には良質なものが多く、貴重だとのことです。ゴルフ場の「ロストボール」拾いのようなビジネスですが、ミャンマーでは日本人の方でこのようなことをやっておられる方がいらっしゃいました。

チークをタイ語で「マイ・サク」と呼びます。マイは木を意味しますが、サクは染料を意味します。これは、チークの葉から赤色染料を採集したことに由来するようです。
建築をはじめとして艦船、車両の材料として利用されてきたチークですが、現在のチーク材の利用としては、高級家具や装飾品が最も身近なところでしょう。チークの木彫りは、タイの土産店の定番アイテムのひとつです。

チーク材の木彫り(チーク材を曳く象)

○楽器材としての利用

タイ伝統楽器でも、ややハイグレードの楽器の主材料としてチーク材が用いられています。キム・ピースアの上級モデルとしてチーク材の楽器を用意しているメーカーが多いので、これをよく目にするところです。キム・ピースアの優美な形とチークの肌理・色合いは、たいへんよくマッチします。他の楽器では、ラナートなどでチーク材が使われることがあります。素材の性能はともかくとして、見た目の主張が強い材料なので相性が問われるでしょう。

キム(チーク材)

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://www.kruang-dontri.com/cp-bin/wordpress/wp-trackback.php?p=112
Listed below are links to weblogs that reference
タイ伝統楽器の材料について(2) ― チーク  from クルアン・ドントリー 営業通信

Home > キム | タイ一般 | ラナート | 楽器 > タイ伝統楽器の材料について(2) ― チーク 

Search
Feeds
Meta

Return to page top